【ロゴマーク豆事典】
21世紀の今生きている、古くて新しい江戸文字
ロゴマークを構成している文字は、かつてはレタリングと呼ばれ、いまのパソコン時代にはフォントと呼ばれていますが、なんと、日本の文字には、300年以上前の江戸時代から、素晴らしいロゴマークやレタリングが確立されています。
江戸文字といわれる文字です。
江戸文字は、千社札や提灯や衣裳など、粋なところに使われる文字のデザインとして、くらしや文化とともに定着されてきました。
ひとつは勘亭流。江戸歌舞伎とともに、興業の看板や幟やチラシで使われました。勘亭流の文字=レタリングは、浮世絵=デザインと一体となった、当時のエンタテイメントを盛り立てています。浮世絵は当時の生活と文化を象徴する総合的なデザインであり、アートでした。いまでも、「吉例顔見世大歌舞伎」などの看板でお馴染みですね。
当時、家元制度の鳥居派など、いまで言うデザイナーやプロダクションが看板の仕事をして活躍していました。
ひとつは寄席文字。岡本万作の宣伝物から、寄席のビラに使われ始めた書体で、後に明治に橘右近などに引き継がれ、現在も寄席でお馴染みです。
ひとつは相撲文字。藩や豪商のお抱え力士たちが競う勧進相撲が江戸の深川で復活。いまも、新聞に載る相撲の番付表や、大相撲の場所でお馴染みです。
そして、千社札といわれる神社仏閣の貼り札。これが、お札を納めるという信仰の対象だったのです。
毛筆がメソッドであった時代、それらの江戸文字は同じように見えますが、それぞれの分野で微妙に趣きを異にしています。
もともと、いまのフォントとちがって、すべて書道の一筆書きで書かれた文字なのです。
現代のロゴマークの文字もほとんどすべてが創作されています。
日本人はすばらしい文化を持っています。300年以上前の江戸からいまに伝えられている江戸文字、平成のくらしや文化の中にも連綿と引き継がれている仮名と漢字のデザインです。いま、あなたがお使いのパソコンのフォントの中にもみんな入っているのではないですか。